1日の平均歩数が中高年女性の末梢循環機能に及ぼす影響について検討することを目的として行った。対象は, 平成5~7年に肥満予防教室や糖尿病予防教室等を受講した中高年女性58名であった。受講中の1日の平均歩数が8, 000歩以上であった者をA群 (61.7±6.1歳) , 7, 000歩代であった者をB群 (60.8±6.0歳) , 7, 000歩未満であった者をC群 (65.1±2.5歳) とし, 教室前後で比較を行った。末梢循環機能の評価は, 加速度脈波計を用いて右手第2指の指尖部にて測定した。得られた波形をA~Gに分類, また算出された加速度脈波形数 (APG-Index) を採用した。その結果, すべての群において教室前後で体重, BMIの低下がみられた。A群ではHDLCの増加とFBSの低下がみられ, B群では最大酸素摂取量の増加とSBP, TC, LDL-Cの低下がみられた。A・B群では, 教室後に加速度脈波の波形タイプの改善がみられ, さらに加速度脈波形数の増加もみられた。以上の結果から, 1日7, 000歩, またはそれ以上の歩行により, 中高年女性における末梢循環機能の改善が可能であることが示唆された。