本研究は, 対象を飲酒・喫煙習慣を有さない群 (A群) , 飲酒習慣を有さず, 喫煙習慣を有する群 (B群) , 飲酒習慣を有し, 喫煙習慣を有さない群 (C群) , 飲酒・喫煙習慣を有する群 (D群) に分け, 血清脂質と血圧に影響を及ぼすと考えられる因子を共分散分析を用いて補正し, 男女間で比較することを目的とした。
その結果, 女性は男性に比べA群ではTC, HDL-C, LDL-Cが有意に高く, TG, TC/HDL-C, SBP, DBPが有意な低値を示した。B群では, TC, HDL-Cが有意に高く, TG, TC/HDL-C, SBP, DBPが有意な低値を示した。C, D群では, HDL-Cが有意に高く, TG, TC/HDL-C, SBP, DBPが有意な低値を示した。
以上の結果から, 女性の方が男性よりも血清脂質と血圧が良好に保たれているが, 喫煙習慣, あるいは飲酒習慣, あるいは両方の習慣を有する群では, その差が小さくなることが示唆された。