我々は2004年より6年間にわたり高齢者を対象として温泉療法、ステップ運動(有酸素運動)・ウエイトトレーニング(筋力増強運動)運動療法、及び栄養療法を取り入れた「高齢者の健康・体力づくり教室」事業を展開している。そのうち、5年以上継続して教室に参加している男性5名、女性15名を抽出し、身体および生化学検査値ならびに栄養摂取状況、体力測定などの各項目について教室の効果を経時的に検討した。5年以上の教室の継続によって、体重・体脂肪率は有意ではないが減少傾向にあり、血液生化学的検査項目では中性脂肪、空腹時血糖値が有意に減少していた。栄養素等摂取状況では、性年齢別の食事摂取基準量に近づき、食品群別摂取状況では、有意ではないが肉類より魚類の摂取が増加し、野菜やきのこ類、海藻類の摂取が増加していた。体力測定では、10m 障害物の時間は男女とも6ヵ月後には有意な改善がみられ、6分間歩行のような持久力が必要