保育所保護者の生活習慣・栄養摂取状況と腸内細菌叢との関連
宮原葉子御手洗早也伽入来 寛熊谷奈々三成由美徳井教孝
【目的】幼児の健康障害の一つに便秘があるが、幼児期の食生活の管理は保護者に委ねられており、母親の影響を大きく受けると報告されている。本研究は幼児の望ましい食生活や生活習慣を形成するために、保護者の生活習慣・栄養摂取状況と腸内細菌叢との関連について検討した。<br>【方法】調査期間は平成27年12月から平成28年4月、対象者はF県K町の同意が得られた保育所保護者62名。調査内容は1)食生活と食事に関する実態調査(秤量記録法で平日3日間、食品名を食事記録シートに記入および同日の食前食後の料理写真撮影) 2)採便後の腸内細菌叢の分析。分析は㈱テクノスルガ・ラボに依頼し、Nagashima法で行った。解析は統計解析ソフトSPSS Statistics ver.22を用い、有意水準5%未満とした。栄養価はエクセル栄養君Ver.8で算出した。栄養摂取量別3群は食事摂取基準2015年版の基準値±10%を中摂取群、9%以下を低摂取群、11%以上を高摂取群とした。この研究は中村学園大学の倫理委員会から承諾を得ている。<br>【結果】年齢別において、腸内細菌叢に有意な差は認められなかった。生活習慣と腸内細菌叢では、朝食時間が7時前とそれ以降・決まっていないでは、推定される菌群の<i>Bifidobacterium</i>の割合はそれぞれ17.0±9.3、10.4±7.0であり、7時前が有意に高い値を示した。栄養摂取状況と腸内細菌叢では、ビタミンK摂取量3群別の低摂取群、中摂取群、高摂取群における<i>Bifidobacterium</i>の割合はそれぞれ8.6±6.6、8.8±9.3、14.7±8.0であり、高摂取群が有意に高い数値を示した。
一般社団法人 日本調理科学会平成30年度大会 研究発表要旨集
日本調理科学会
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007479326