本研究では末梢血液循環機能を測定することで, 冷え症であるのか否かの客観的判断が可能ではないかと仮定して, 指先の加速度脈波を測定し, "冷え"との関連を調べた。被験者は女子学生414名で, 自己申告により"冷え"を訴える者をその度合いにより3段階 (弱冷え, 中冷え, 強冷え) に分類し, 加速度脈波の波形とスコアにより冷え症との関連性を正常者のそれと比較した。対象者のうち約半数 (200名) が冷えを自覚しており, その内訳は, 弱冷え80.5%, 中冷え15%, 強冷え4.5%であった。加速度脈波の波形とスコアによる末梢血液循環機能の分類から, 波形およびスコアともにそれらの評価が低いほど冷え症者の割合が多く, 逆に波形およびスコアともに高いほど正常者の割合が多かったことから, 加速度脈波の波形とスコアを用いることで冷え症の有無とその度合いをある程度推察することは決して不可能ではないと思われた。