2,3-ナフタレンジアルデヒド(NDA)蛍光誘導体化試薬を用いて,ヒト血しょう中のアンジオテンシン類(ANG I,II,III)の定量を行った.本蛍光誘導体化法(0.1mM NDA,反応時間1時間)を用いることにより,アンジオテンシン類を10~1000pg(/注入量)の範囲で再現性よく(3.5%,<I>n</I>=5)分析できた.そこで,ヒト血しょう(10ml)中のANG I,II,IIIをODS-HPLCにより一次精製して定量分析したところ,それぞれ315.8pg/ml,19.2pg/ml,<1.3pg/mlと見積もられた.ANG IIの測定値はRIAキットによる値(22.6pg/ml)と良好に一致し,本法を適用することにより血しょう中のアンジオテンシン類の定量が可能であることが明示された.