<I>Lactobacillus delbrueckii</I> subsp. <I>bulgaricus</I> IFO 13953で発酵させた発酵乳から,Sephadex LH-20ゲルろ過クロマトグラフィーおよびODS逆相クロマトグラフィーを用いて抗酸化能を有するペプチドを単離した.さらに,そのペプチドの同定を質量分析計およびアミノ酸シーケンサーを用いて行った.そのペプチドのアミノ酸配列は,11のアミノ酸残基からなり,Ala-Arg-His-Pro-His-Pro-His-Leu-Ser-Phe-Metの配列であった.この配列が原料である脱脂乳のκ-カゼインの96-106番目のアミノ酸配列と一致したことから,この抗酸化ペプチドは,IFO13953の乳酸発酵により生じたペプチドであると判断された.このペプチドのDPPHラジカル消去活性は弱かったが,β-カロテン退色法においてはBHTよりも約5倍強い抗酸化能を示した.