タマネギに含まれるケルセチン類分析の省力化を図ることを目的として, ケルセチン類の抽出にPLEの適用を試みた. タマネギ凍結乾燥品からのPLEによる抽出条件としては, 80%エタノール水溶液を抽出溶媒に用い, 40℃で5分間の静置を4回繰り返す条件が最適であった. 品種・栽培地の異なるタマネギを対象にケルセチン類含量を測定すると, Q-3,4'-diGlcとQ-4'-Glcとの合計量は31.7~108.3μmol/100g-FWの範囲に分布しており, その合計量に比例して, ラジカル消去活性も高まった. また九州で栽培されたタマネギにはQ-3,4'-diGlcが, 北海道で栽培されたタマネギにはQ-4'-Glcが多い傾向にあった.