紫サツマイモジュースに含まれる血圧降下作用を発現する成分を特定することを目的として, 「アヤムラサキ」から紫サツマイモアントシアニン含有物 (PSP-ANT) を調製し, 高血圧自然発症ラット (SHR) を用いてPSP-ANTの降圧効果について検討を行った. その結果, 400mg/kg PSP-ANTの単回経口投与では, 投与2時間後にはコントロール群と比較して有意な降圧効果 (p<0.05) が認められ, 本効果は投与8時間後まで持続することが示された. PSP-ANTの血圧上昇抑制効果はPSP-ANTを0.1%あるいは0.2%混合した食餌を用いた長期投与でも確認され, PSP-ANTの給餌を中断すると血圧はコントロール群と同レベルになった. 以上の結果, 紫サツマイモによる血圧降下作用にはPSP-ANTに含まれている成分, アントシアニンが関与していることが示唆された.