サツマイモ品種「すいおう」葉身中のCAおよび7種のCQAsの茹で加熱処理における変動を調査した結果,CA,3-CQA,5-CQA,3,5-diCQAおよび3,4,5-triCQAでは有意に減少したが,4-CQAおよび3,4-diCQAでは有意な変動は認められず,4,5-diCQAでは有意に増加した.CAおよびCQAsの標品の水溶液を100°Cの条件下で加熱した場合,CAと3,4,5-triCQAでは有意に変動しなかったが,mono-CQAsとdi-CQAsでは構造異性体が生成し,残存する元の化合物の量へ新たに生成した構造異性体の量を加えた総量が,加熱処理において有意に変化しないことが示された.そのため,「すいおう」葉身の茹で処理での各化合物の挙動の差異は,茹で汁への流出と同時に,それら化合物の構造異性体への変換に起因していると推察された.