「男の価値は本棚の内容で見分けよ, 女の価値はスパイスの棚の中身でわかる」と西洋の古い言葉にあるように香辛料は料理の味を左右する重要な因子でもあると思われた。香辛料の知名度の高いものはマスタード, ナツメグ, ペッパー, ミント, シナモンの5種類で女子学生の80%に知られていた。香辛料を知る動機づけは家庭, 本, 雑誌, テレビの順であり, 家庭の50%にナツメグ, パプリカ, ジンジャー, オールスパイス, ローリエ, シナモンが, 80%の台所にはマスタード, ペッパー, ガーリック, オニオンが並んでいるのが現状のようであった。香辛料の嗜好性では, ケーキ, クッキー, リンゴジャムに必要不可欠な"シナモン", それにキャンディ, はみがきに重要な"ミンドが好まれていた。香辛料のイメージは3年前の調査で, 女子大学生に空想的でユニークな発想の語句がめだったが, 本調査では料理に用いる香辛料としての役割を的確につかんだ語句が多かった。認識テストでは, シナモン, ジンジャー, ローリエなど日常なじみの深いものが高い正解率を示し, 次に色で見せるパプリカの順であった。重量配合別の嗜好調査の結果, 食物栄養科助手においてハンバーグにナツメグ入りを, トマト・ソースにオレガノ入りを有意に好み, 食物栄養学科学生においては香辛料なしのノーマルな試料を好んだ。カレー・ソースについ...