平成12年度の国民栄養調査結果では、学童期の児童を含む年齢階級別栄養素等摂取量の7〜14歳で、炭水化物が不足し、脂質が摂りすぎの状態になっている。この解決策は、主食である米や穀類摂取の勧めであり、米食の主菜となる魚介類、大豆製品、野菜類などを取り入れた低脂肪の和食を食べることの習慣化だと考えられる。本研究は、魚離れをなくし健康的な食習慣形成の基礎づくりを目指して、米国のGreen, L.Wらが開発した行動変容モデルのプリシード・プロシードモデルを用いて「日本型薬膳を食べて、正しい排便習慣を身につける」食教育プログラムを開発し、その効果について評価した。方法は、F県の小学校の5・6年生の児童を対象に、市街部の1082名と農村部の1183名に魚介類に関する意識・実態調査を行った。その結果、地域差は認められず、児童の66%は魚がおいしいというイメージを持ち、魚は好きな食品であることが示唆された。次に、食教育プログラムは小学校栄養職員、教員の協力によるT. T.を導入し、小学校の総合的な学習の時間や学校給食を活用して、F市のH小学校の5年生の児童84名を対集に2群に分けて、その前後で効果を評価した。その結果、準備因子の実態調査で児童の30%は、きのこ類、大豆製品、海藻類など日本の伝統食を嫌っていることが伺えた。排便習慣では、児童の45.2%が不規則であり、遅寝や朝食欠食など生活リズム...