校務支援システムを導入した小学校2校において,システム運用初期に教員向けインタビュー調査を実施し,校務の現状がどのように改善されたかについて分析した.その結果,システムの運用によって,主に成績処理が効率化され,学習評価が改善したと感じていることが示された.また,職位や教職年数による違いを分析した結果,調査校の校長は「評価内容の質的向上」,教務主任は「状況把握と効率的な処理」,中堅教諭は「状況把握と評価内容の質的向上」,若手教諭は「効率的な処理」,養護教諭は「情報共有」を主な改善内容として挙げており,職位や教職年数により,校務支援システムの機能・インタフェース等が異なる必要があることを示した.