本研究では,公立中学校の1年生から3年生の生徒(517名)を対象に,学校既有の資料(アンケート,学力テスト)をもとに,学習場面での質問行動(わからないことがあったら質問する)についての実態と,動機づけ及び学業成績との関連を検討した.その結果,実態として,全体の52.6%が質問行動を利用しており,中学生にとって比較的利用可能性の高い学習ストラテジーであることがわかった.そして,質問する生徒の方が質問しない生徒よりも,学習する理由として内発的動機づけに関する項目があてはまると認識しているものが多く,学業成績が高いという結果から,質問行動と内発的動機づけ及び学業成績との関連性が示唆された.