本研究は学習者が持つ学習過程に影響を及ぼす心的要因と学習パフォーマンスに関するメンタルモデルを踏まえて,学習者が自らの学習目標を達成するように学習活動を自己調整して進めるようにする教授学習プログラムを開発した。本プログラムでは特に学習の行き詰まり場面に注目し,その行き詰まりを解消するための方略として「補償的に自己効力を上げる」を小学校児童に教授し訓練させた。その結果,学習がうまく進まないことに起因する自己効力の低下による行き詰まりが,好きなことや上手くできることによって補償的に解消され,学習に再び取り組もうとする態度形成につながっていた。