【目的】肥満が齎す高インスリン血症は高血圧発症因子の一つと考えられ、インスリンと関連の強い血清Leptinが降圧に関与している可能性が報告されている。本研究では、肥満是正と血圧ならびに関連因子の関連をLeptin、Fat-mass、腹部脂肪、インスリン抵抗性、交感神経を中心に検討した。【対象と方法】対象は年齢47.0±0.9歳の女性102名で、BMI29.5±0.5kg/m^2であった。栄養・運動による減量指導を3ヵ月行い、開始時(0M)と3ヵ月(3M)後に日本コーリンBP8800を用いて深呼吸後の血圧を連続3回測定し、早朝空腹時に安静臥床30分後の採血を行った。0M、3MにMRIにより腹部脂肪を測定し、75gOGTTならびに24時間蓄尿(24hU)を行った。開始時の血圧により、米国合同委員会の基準にもとづき収縮期(SBP)130以上または拡張期(DBP)85mmHg以上の高値正常血圧者及び高血圧者をHT群:31名とし、SBP130未満かつDBP85mmHg未満をNT群:71名として2群に分け群間比較を行った。【結果と考察】(1)減量前の年齢、BMI、腹部全脂肪・内臓脂肪、Σインスリン(ΣIRI)、HOMA指数、PRA、24hUノルエピネフリン(NE)は群間に差を認めず、LeptinはHT群で有意に高値を示した。(2)3ヵ月指導後、体重は平均3.3kg、Fat-mass、腹部...