各種胆汁酸の空腸粘膜上皮に対する傷害作用-特に上皮剥脱を指標として-
近江雅代山元寅男
第29回日本消化吸収学会総会
日本消化吸収学会
東京都新宿区
各種胆汁酸の粘膜上皮に対する作用を、上皮剥脱を指標として比較検索した。非抱合型は粘膜上皮に傷害を及ぼしたが、抱合型では殆ど変化がみられなかった。従って、腸管内に分泌される胆汁酸が抱合型であることは、小腸粘膜の保護に大いに役立ち、非抱合型胆汁酸は空腸上皮の開離・剥脱を引き起こし、腸管内からの食物アレルゲンの侵入を容易にし、食物アレルギーの発症の一大要因になり得る。