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症例は51歳女性で、トンカツ摂取後にビールAを2口飲んだ後、口周囲の腫れるような感じを自覚し、フェキソフェナジンを頓用した。顔・首・手指まで発疹が出現し、少し息苦しさがあったが翌日には発疹が消失した。外食で酒類を飲用すると誘発症状がみられるため、原因究明のために精査目的に入院した。これまでアルコールを用いた皮膚清拭によるアレルギー反応はみられていない。食物経口負荷試験において、エピソード時に摂取したビール3種、ワインおよびお好み焼きを用いた。負荷食物は単品および複合的な作用の影響も考えられることから、症状誘発時に食物を同時摂取し、再現性を確認した。ビールAに含まれる何らかの成分によるアナフィラキシーと診断され、ビールAの摂取を控えるように指示された。患者本人はアルコール全般の摂取を中止し、以降、症状の誘発はみられていない。 |