当社は,自然豊かな大分県国東半島北東部の国東町に立地している。昭和57年,先代の父(安部徹夫)により設立される。資本金は1,500万円である。私(現在,53歳)は2代目であり,昭和60年の取締役就任を経て,平成17年に経営を継承している。現在の主な事業内容は,土木工事業・建築工事業・管工事業・太陽光販売・設置業および農林業である。承知のように,公共事業は縮小の一途をたどり,非常に厳しい経営環境にあった。そこで,企業改革を図るため,平成18年,農業受託サービス業という形で経営革新計画を申請し,大分県の承認を受けた。これが当社の農業参入の契機となっている。表1に,当社の農業参入に至るまでの主な沿革を示す。現在,従業員は8名であり,平均年齢は35歳である。農業に参入するまでの従業員の農業経験は,先代が自家消費用の米作りを行っていた程度であり,ほとんど皆無といってよかった。