本研究は,科学的知識の活用力を「接続用知識を,授業で扱った事象と類似した事象に 適用する力」と捉え,児童の活用力の実態を明らかにすることを目的とした。接続用知識 とは,「法則とそれによって理解される事柄を接続する知識」を指す。この目的を達成す るため,小学校第 6 学年「月の満ち欠け」の単元において,接続用知識の獲得と適用を目 指した授業を実践し,児童の月の満ち欠けに対する理解と活用力を調査する問題を実施し た。その結果,接続用知識を獲得した児童は,そうでない児童に比べて正答率が高いこと が確認された。 このことから,月の満ち欠けの授業においては,接続用知識の獲得と適用といった観点 から授業を実施することの効果が示唆された。