共同研究・競争的資金等の研究課題

基本情報

氏名 竹嶋 美夏子
氏名(カナ) タケシマ ミカコ
氏名(英語) MIKAKO TAKESHIMA
所属 中村学園大学 栄養科学部 フード・マネジメント学科
職名 准教授

タイトル

高密度リポタンパク質レセプターの発現を高進する食事因子の解明

提供機関

文部科学省

制度名

科学研究費補助金(奨励研究(A))

研究機関

中村学園短期大学

研究期間(From)

1996

研究期間(To)

1996

担当区分

研究代表者

担当研究者

竹嶋 美夏子

研究種目

奨励研究(A)

形式

URL

研究概要

高密度リポタンパク質(HDL)は、末梢組織の余剰のコレステロールを肝臓に逆輸送し、異化させる働きを有し、心筋梗塞や動脈硬化を防ぐ重要なタンパク質である。HDLの動脈硬化予防に果たす役割を解明するためには、コレステロールの逆輸送による最終運搬場所の肝臓細胞膜のHDL-レセプターの同定とその分子解明が必要である。しかし、未だその実体は不明なままである。申請者は、HDLの主要アポタンパク質のアポA-lをDNP化してリガンドブロッティングを行う、迅速かつ簡便なHDL-レセプターの新しい検出法を開発した。この方法で、HDL-レセプターの増減を検索した。モデル動物として、HDLが少なくLDLが多い点でヒトと似ているウサギを用いた。本研究では、まず0.5%コレステロールを添加した食事でウサギを5週間飼育した。これまでの検討から、ウサギの場合、この条件で動脈硬化を伴う症状がみられることを確かめている。このウサギの肝臓のHDL-レセプターの発現を調べた結果、HDL-レセプターの発現は、コントロールに比べ2倍以上増加することがわかった。これは、肝臓にコレステロールを逆輸送するためのアダプテーションとも考えられる。次に、HDL-レセプターの発現を高進する食事条件の検索をめざして、5%ラ-ド添加食、5%コーン油添加食、10%ペクチン添加食でウサギを5週間飼育し、HDL-レセプターの発現を調べた。その結果、10%ペクチン添加食ウサギの肝臓では、HDL-レセプターの発現はコントロールに比べ2倍以上増加した。以上のことから、ペクチンのような食物繊維は、HDL-レセプターの発現を増加させ、動脈硬化を予防することが示唆される。今後、コレステロールとペクチンを併用させることにより、実際に動脈硬化を予防するかどうか、さらに検討の必要があると思われる。

資金種別

競争的資金

国際共著