平成元年度より,就学前の教育では「遊びを通して の指導」が求められるようになった(文部科学省, 1989)。幼児の音楽教育では,それまで「音楽リズム」 として単独の領域で取り扱われていたものが,領域 「表現」の中に組み込まれた。今日の幼稚園教育要領 (文部科学省, 2017)や保育所保育指針(厚生労働 省, 2017)においてもその方向性は引き継がれてお り,遊びを通した幼児の能動的な表現活動によって, 豊かな感性や表現する力を養うことが目指されてい る。 本研究では,就学前の幼児・園児や就学後の児童が 遊びを通して音に触れる機会を増やす一助となるよ うな和音の玩具を開発し,その活用方法を探った。