【目的】本研究の目的は保育系学生を対象に、野菜と果実の分類意識の現状を調査することで、保育現場での食に関する基本的概念形成の教育のあり方を検討することである。【方法】中村学園大学短期大学部幼児保育学科の2年生を対象に、果実・種実部を主に食する19品目の食用植物を野菜、果物、いずれでもない、のどれに分類するかと、その分類の根拠を尋ね、分析した。【結果】トマト、リンゴ、マンゴー、バナナ、ミカン、カキの計6品種については95%以上の学生が共通して選択した。他の品種では一貫性は低下し、様々な理由を根拠に分類していることが分かった。【結論】幼児期からその存在を認識する主要な果実食植物に関して学生によって野菜か果物のいずれに分類するか固定的ではなく、品種によっては保育系学生自身に大きな迷いがあることが分かった。このことは、食の基本的な分類概念を教える立場の保育者自身がまちまちな概念で現場に立ち、次の世代の意識確立を行う可能性があることを示し、一定の概念の確立と指導が重要であることを示す。