著者の過去の研究では、直接の調査対象では無かったが、絵本(図形)の内容(意味)が容易に分かる場合と、容易に分からない場合によって、色彩の与える影響が大きく変化した。
本研究では、これらの点に関して、複数の簡単な図形に対して、回転や色彩を変化させ、多数の被験者による実験によって、被験者が受ける印象の変化を調査した。この結果、意味が有ると思われる及びそれと似た図形は、回転や色彩によって、被験者の受ける印象が大きく異なる事が分かった。しかし、意味が無いと思われる及びそれと似た図形は、回転や色彩によって、被験者の受ける印象は大きく変化しなかった。これらの事から、色彩が図形の意味(イメージ)形成に影響を与えている可能性が示唆された。