本論文では、児童・生徒の色彩に対する識別力や連想語の関係を調査し、より良い色彩教育をおこなう為に必要な、基礎的なデータを得る事ができた。
まず、色彩に対する識別力や連想語がほとんど完成されていると考えられる大学生に対して、色彩の嗜好と色相・彩度・明度における識別力に関する実験をおこなった。その結果、色彩の嗜好と色相・彩度・明度における識別力の間には、ほとんど相関が無い事が判明した。
次に、まだ色彩に対する識別力や連想語があまり完成されていないと考えられる小学生に対して、連想語に対応し、1・2・4つの升目を色紙でタイル状に貼り合わせる事で、児童・生徒の持つ色彩と連想語の関係に関する実験をおこなった。その結果、多くの色彩と連想語の関係は一致しているものの、幾つかの連想語に関しては、一致していない例も見られた。