CADの普及に伴い過去の図面や手書きの図面の認識に対する需要が増加している。図面は、線図と寸法を記した数字から構成されているが、これまでは線図のみに着目した認識が主流であった。しかし、このような手法ではベクトル化及び認識に際して交差点や接触箇所の精度に問題が生じる。この問題を解決するには寸法の情報の利用が有効である。寸法は矢印の付いた寸法線の線上もしくはその近辺に記されているという前提から、まず矢印を抽出することによって寸法の記されている領域を特定しやすくすることができる。従来、矢印の抽出には2重の正方形を用いた手法が提案されている。しかし、これは手書きの場合に大きさの変化や矢印の片側の欠損に対応できず、また、正方形を用いているため方向性依存が少なからずある。本稿ではこれらの問題を解決し、手書き図面に適用できる手法を新たに提案する。