我々は教材内容に対しての学習履歴に着目し,学習者及び教授者が経験的に行っている教材内容の重要概念に下線を引くという行為の学習活動で,獲得または定着した知識を記録知識として捉え,学習者の教材内容に対して,理解促進のための記録知識の概念と足場処理の重要性の提案を行った.そして,学習者が教材内容に下線を引き,記録することで,学習活動把握のための指標となる重要概念支援システム[Key Concept Facilitator System (KCFS)]の開発をおこなった.本稿では,「情報処理論Ⅰ」の科目の授業前と後でKCFSを実際に活用し,システムの有用性を確認した結果について報告する.