文字が読めない乳幼児が,1人で絵本を読む(見る)時は,絵のみを見ていると推測される.絵の情報としては,主に図形及び色の2つの要素がある.
本研究では,今回は色にのみ着目し,絵本の色と内容に関して,相関の有無を調査する.調査対象の絵本の1冊毎に,使用されている色の統計(面積)を調査する.また,絵本を複数人の大人が読み,1冊毎に内容を大まかに分類(嬉しい,楽しい,悲しい,怒る等の基本的感情)する.本研究の結果,調査対象の絵本において,ある程度色と内容が相関している事が判明した.この結果から,文字読めない乳幼児においても,色の情報である程度内容を把握している可能性が示唆された.