現在,教育現場においてコンピュータの活用が進んでいる.しかし,ある程度高い精度の色彩表現が要求される美術の授業では,コンピュータ・ディスプレイの色彩表現の精度が問題となる.したがって,従来の美術科教育において,コンピュータ・ディスプレイを利用した色彩の研究・実践は少ない.
そこで,本論文では,一般的な小学校・中学校・高等学校におけるコンピュータ教室と児童・生徒・教員を対象とした,“簡易カラー・マネージメント・システム”を提案する.この手法は,特別なハードウェアやソフトウェアの導入や操作を必要とせず,インターネット上のプログラムを用いて,表示するデータ側を補正するシステムである.結果,市販のカラー・マネージメント・システムには及ばないが,ある程度の高い色彩の精度が得られる事が分かった.