本論文では、近距離の被写体を対象としたカメラのボケ画像を用いて、空気遠近法・消失遠近法との関係や精度を、被験者を用いた実験により検証する。また、被写体の色彩を変化させる事により、色彩遠近法の効果も合わせて検証する。実験の結果、単純なボケ画像及び単一の色彩の場合、ボケの質や色彩に比べて、ボケの大きさ(空気遠近法・消失遠近法の効果)が被験者の遠近感に与える影響が大きい事が判明した。また、中学校における美術部員を対象としたアンケートの結果、各種遠近法やボケに関して、名称やその効果や内容・手法を多くの生徒が十分に理解していない事が分かった。