本論文では、大学入学直後に行うプレイスメントテスト(以下PT)と1年次必修科目で行われた試験等のスコアから、学生の学力等が高校時代の成績や関心との関わりを見出すことであり、各科目における授業デザインの省察や効果は行っていない。なぜなら、大学教育は4年間にわたって学生を育てていくものであり、入学後数か月で劇的な変化を期待することはできないからである。むしろ、それぞれの科目特性や学生の資質について、高校時代の知識や興味から再確認することが重要であると考えている。そのため、教育効果などの総合的な検証については、4年間の追跡調査に基づき改めて報告する機会を設けたい。