今年度は、前年度に採取した高サンプリングレートの加速度センサを用いて取得した屋外および教室内での学習実践時の身体運動のデータを元として、あわせて行ったアンケート調査などで得た学習と関わると期待される心的指標の情報等との対応関係について分析を行った。その結果、身体運動の統計的分布の特徴量が学習と関連する非認知的能力の指標と弱い相関を持つことを確認した。ここからは、この情報収集が対象とした比較的短時間(大学の授業1回)ではこの種の学習者の状態の情意的側面あるいは非認知的能力の測定には十分ではないことが伺える。またその一方、このようにして得られる学習者の情報が教育の改善に一定の役割を果たしえると同時に応用・実用の局面では機微に触れる学生個人に関する情報を当事者に知られることなく取得可能であることから情報の取得や利用に関する倫理的問題が派生することが、同時に行った検討から明らかとなった。
この他、