若獅子旗なぎなた大会の運営に携わった高校のなぎなた部に所属する高校生41名を対象に,スポーツボランティアについての認識を明らかにし,参加の促進と継続性を検討するために行った。その結果,高校生の多くは「依頼型」ボランティアであったものの,ボランティアという認識が低いことがわかった。さらに,「ささえる」スポーツ,スポーツボランティアが高校生に浸透していないことも示唆された。また,高校生は与えられた役割を遂行しながら、なぎなた競技について学び・情報を得ていたことがうかがえた。また,大会運営には競技経験があるほうがよいと認識していることもわかった。
日本の地方大会レベルにおけるボランティアは,「依頼型」ボランティアの傾向にあるといえる。そこには,競技団体などの大会主催者,学校・教員・指導者といった依頼の仲介者には,それぞれに依頼以外の期待があることが推察された。ボランティア活動者である高校生にはやるべき(自己強制・自己犠牲),やりたい(意欲・欲求)だけでなく,しない自由の保障が必要だと考えられた。