近年,大学生の学力低下,学習意欲の低下が指摘され,1年次を対象に導入教育を実施し,『大学での学び方』を指導する大学も出現している.しかしながら,看護師,保健師,社会福祉士などの国家資格の取得を目指す大学では,必須の専門教育科目が多く,導入教育を行う時間的な余裕はない.そこで,1年次を対象にした必須科目である一般情報処理教育において,レポートの書き方,情報検索などの学び方の指導,著作権やプライバシーの保護,インターネットを安全に利用する方法などの内容を盛り込み,実践を行った.著作権に関する授業,情報検索に関する授業,および,文書作成ソフトを使ったレポート作成の授業の効果を調べるために,本授業を受講した学生と本授業が開講される前の2001年度の入学生を対象に,1年前期終了時7月末提出の看護専門科目におけるレポートについて,文書作成ソフトを利用したレポートの数,参考文献の明記状況,参考文献リストにおけるインターネット検索の有無について,調査を行った.その結果,それぞれについて本授業の受講生の割合が高くなっていた.一方,本授業の受講生の中には,図書検索を行わずにインターネット検索のみでレポートを作成している学生がおり,インターネット検索で得られた情報の信頼性などに関する新たな指導が必要であろうことがわかった.