本研究では、オープンダイアローグの歴史的経緯と社会的基盤、哲学的・思想的基盤、各国での展開状況などについて研究するとともに、日本への導入可能性について検討した。また、オープンダイアローグとトリエステモデル、当事者研究などの共通点と違いについて検討を加えながら、精神科医療における対話的アプローチの意義に関する研究を進めた。さらに、生物・心理・社会モデル、精神疾患診断の社会的影響、認知症当事者運動の研究なども行った。本研究の成果の重要な部分は、現在編集作業が進められている『オープンダイアローグの哲学』(仮題・石原孝二、斎藤環編、全2巻予定)の各章として出版される予定である。