心理アセスメントにおけるパーソナリティ障害のDSM-5代替モデルの妥当性と有用性を明らかにするために、以下の調査を行った。(1) DSM-5パーソナリティ調査票(PID-5)日本語版を開発し、その信頼性及び妥当性を確認した。(2) NEO-PI-Rの所見に基づくパーソナリティ特性の描写のフィードバックは、臨床的有用性が高いことが示唆された。(3) 精神科入院患者のケース・フォーミュレーションの実践とその効果を検討した。以上の結果から、心理アセスメントにおいて少なくともパーソナリティ障害診断のディメンション的モデルは、妥当性、信頼性とともに臨床的有用性も担保する可能性が示唆された。