症例は74歳男性.63歳時に関節リウマチと診断され,ステロイド内服を開始.69歳時にステロイド糖尿病を指摘され,71歳時にインスリン治療を開始された.しかし血糖コントロールは不良であり,2011年5月に精査加療目的に当科入院となった.入院時,関節リウマチに対してプレドニゾロン(以下PSLと略す)7.5 mg/日内服中であり,糖尿病に対してはインスリンtotal 27単位/日投与下でHbA1c 8.1 %(以下HbA1cはNGSP値で表記)であった.グルカゴン負荷試験にてインスリン分泌能は保たれていたことより,リラグルチド投与を試みた.最終的にリラグルチド0.9 mg/日とグリメピリド3 mg/日の併用によって血糖コントロール良好となり,インスリン治療から離脱した.また,興味深いことに関節リウマチの活動性の指標であるmatrix metalloproteinase-3(MMP-3)の値が入院時356 ng/mlより187 ng/mlへ減少し,PSLも4.0 mg/日に減量された.本症例について文献的考察を加え報告する.