糖尿病患者の高齢化により,サルコペニアやフレイルに対する栄養および運動による早期対策が重要となる.本研究は,高齢2型糖尿病患者17名を対象とし,食品摂取の多様性スコアを用いた栄養指導および運動指導を実施した.介入16週後に,体組成項目の筋質点数(p<0.01),椅子立ち上がり動作から測定した運動機能項目の最大値体重比(p=0.04),最大増加率体重比(p<0.01),バランス偏差値(p<0.01)で有意な改善を認めた.また,蛋白質(p=0.01),ビタミンB1(p=0.03),ナイアシン当量(p=0.04)の摂取量,蛋白質エネルギー比率(p=0.01)が増加し,HDL-Cも有意に増加した(p=0.03).本研究は16週間の短期間であったが,食品摂取品目の増加と身体機能の向上がみられた.本研究で施行した食事と運動療法の長期的な継続は,サルコペニアやフレイルの予防につながる可能性が示唆された.