今日、マルチメディア指向アプリケ-ションが注目を集めている。現在既にマルチメディアシステムと呼ばれるものが開発されているが、これらは既存の計算機を利用しているため、時間的、空間的に十分な解像度を有していない。本研究の目的は柔軟で十分な性能を持つマルチメディア環境を構築することである。この目的を達成するために我々は以下の3つのテ-マについて研究を行なった。マルチメディア指向並列計算機ア-キテクチャプロセッサエレメントのア-キテクチャとして、最適化されたデ-タフロ-モデルであるDatarol-IIを採用し、これを現在のハ-ドウェア環境にしたがって最適化した。各プロセッサエレメントを市販のCPUとFMP(Fine-grain Message Processor)と呼ぶ細粒度メッセ-ジ処理回路で構成することによって低コスト化と高性能を実現した。また、低レイテンシ高スル-プットのPE間ネットワ-クと実時間画像入出力のためのI/Oネットワ-クを構築した。さらに、これらを検証するために16プロセッサエレメントから成る試作機を設計制作するとともに、ソフトウェアシミュレ-タを製作して評価を行なった。超並列記述言語と処理系デ-タフロ-意味論に基づく宣言型言語をベ-スとして、これに並列オブジェクトの記述機能を付加した超並列記述言語Vを設計し、基本命令のコ-ド生成法を検討するとともにライブラリの整備...