厚生労働省(2011)は「看護教育の内容と方法に関する検討会報告書」のなかで効果的な実践能力の育成方法として、実習で体験したことの振り返りの充実、実践と思考を連動させながら学ぶことができるようにすること等を挙げている。しかし、現実には学生は既有の知識を実際の看護場面に活用することが難しく、「知識」と「実践」が乖離したまま実習を終了するということも体験的に多々見受けられる。本研究では、看図アプローチを看護学実習に活用し、「実践」と「思考」を連動させ、さらに知識の定着を図るため小児看護学領域の「保育所実習」を対象に教材開発・授業開発を行い、その有用性を検討する。データ収集方法は授業風景やグループワーク風景の撮影を行う。その映像記録にある音声記録をデータとして使用する。また、学生の作成した資料もデータとする。結果、学生は保育所実習で観察した場面について、ビジュアルテキストを活用し説明することができた。また、読み解きの難しいビジュアルテキストについても発達過程とリンクさせ説明することができていた。これは、本研究のビジュアルテキストが、先行オーガナイザーとして活用されたと考える。このことより、本研究で開発した教材・授業モデルは協同学習のツールとしても活用できることが確認できた。