本論文は,プロジェクトの個人メンバーがどのようにして新しいプロジェクトマネジメント手法を理解し,受け入れて行くのかを,クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント手法を導入して定着させた企業のアンケート調査の回答を分析することによって議論する.そのため,モデリング技術を利用して概念整理をおこない,組織と個人を統合したモデル,すなわち組織-個人統合モデルを提案し,そのモデルを適用してアンケートを分析する.この分析により,新しいマネジメント手法を導入して定着させる際の教訓として,問題解決アプローチが重要であることと,個人メンバー自身の役割認識が進むプロセスについて理解することができる.