近年のプロジェクトマネジメントのヒューマンファクタにおける研究では、ハーズバーグの勤機づけ一衛生理論などの内容理論における研究がおこなわれている。この動機づけ理論には、前述の内容理論の他に、過程理論がある。本稿は、過程理論の代表的な理論であるローラーの期待理論モデルを適用したビューマンファクタの研究について述べる。今回は研究の事例として、クリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメント(CCPM)を導入した企業A社の導入段階から成果が現れるまでの3段階のアンケート調査を使用した。そこからわかったことは、CCPMを導入して、その手法による業績が表われてくると、メンバーの動機づけが上がったということである。この動機づけの仕組みをローラーの期待理論モデルを適用して議論する。