次世代シークエンサーを用いた解析により、マウス精子において特異的に存在する小分子RNAを2つ発見した。これらの小分子RNAは約20塩基からなり、全体に渡って相同性が高く、5'末端から9塩基目までは完全に配列が一致していた。これら小分子RNAをマイクロインジェクションによりマウス受精卵の雄性前核に導入し、初期発生における細胞内局在の観察を行ったところ、胚盤胞期まで核に安定に局在することがわかった。さらに、変異型のRNAを作製し同様の実験を行ったところ、核局在に寄与する8塩基からなるモチーフ配列を見いだした。精子特異的小分子RNAが、受精の際に精子から卵子へ伝達されるのかqPCR法によって調べたところ、未受精卵においては検出されなかったが、受精卵において約10コピーの小分子RNAが検出された。