多発性骨髄腫は2番目に多い血液がんであり、全世界で年間15万人程の患者がこれにより死亡していると見積もられている。新薬の導入により平均生存年数は延びてきているが、ほとんどの患者でこの薬に対して抵抗性を持つ骨髄腫細胞が出現し再発してしまう。骨髄腫は原因も解明されておらず、成功率の低い骨髄移植以外に治療法もないがんである。
我々は、遺伝子発現抑制法TRUE gene silencingを骨髄腫に応用し、患者を治癒に導くことができるsgRNA薬を発見することを長期目標としている。本研究では、sgRNA薬候補の作用機構の一端を解明し、マウスモデルにおけるこのsgRNA薬の腫瘍増殖抑制効果を確認した。