研究2年目にあたる平成23年度は、現地(国内・国外)調査体制の整備に加え、第一次調査の実施(日本にて)及び「スポーツ観(スポーツ価値意識、スポーツ像)」調査票の最終検討を行うこととした。そのために第一に、外国調査として、韓国の共同研究者(釜山・釜山大学校:黄教授)、(東亜大学校=姜教授)を訪問、また国内調査においては、学会時に協力依頼を行う関係者への調査依頼の手続きを行った。そして第二に、2007年および2009年に第一次調査として実施した「スポーツ観」調査を基に、「日本の大学生におけるスポーツ観形成の実態」と題して、3本の学会報告を行った(九州体育・スポーツ学会:名桜大学)。そこでは、研究Iとして尺度作成の検討を行い、研究IIとして、その尺度を用いてクラスター分析を行い、四つのスポーツ価値意識のタイプ(文化的価値肯定型、有用性懐疑型、陶冶性懐疑型、文化的価値懐疑型)を析出した。またスポーツ像については、12カテゴリーにわたるスポーツ像を作成し、各カテゴリーで得られた得点をもとに、スポーツの価値意識タイプ別、勝利志向型、組織的スポーツ活動経験の有無、在籍パターン別に分析を行った。以上の分析を行った結果、多くの成果と課題が得られた。例えば、スポーツ価値意識に対して男女間に有意な差は認められなかったが、組織的スポーツ活動経験の有無別にみると、日常的有用性因子において、活動経験の有...